おすすめの本の紹介!第14回

 今日のお昼の放送は、先生方のおすすめの本の紹介の14回目です。

担当は内田先生です。

本の題名は「心があったかくなる話」です。

この本には、全国から心温まるエピソードが集められています。

 人は誰でも優しい心を持っています。

あたたかい思いやりの心を持っています。

だから、そんな心にさせてくれるお話を読むと嬉しくなったり、胸がいっぱいになったりします。

この本は1年生から4年生までの4冊のシリーズになっていて、先生が読んだのは2年生版ですが、例えばこんなお話が出てきます。

 

夕方の商店街で、歩いていたおじさんの重そうな紙袋がビリっと破れてしまいリンゴ、バナナ、缶詰が転がり出てしまいます。

おじさんは慌てて拾い集めようとするけれど、リンゴがころころ転がって、地面に手をつきながら苦労して拾い集めます。

やっと集めたものを元の袋に入れて持ち上げると、また転がり出てしまい、道を通る人にあやまりながら、また拾っていました。

道を通っていた人たちは、迷惑そうな顔をして、よけながら通ります。

そこへ、お使いの帰りらしい女の子が通りかかり、その女の子は、ふたつ買い物袋を持っていて、一つを空っぽにして、おじさんに「あげます。」と言って差し出したのです。

あなただったら、どうしますか?

迷惑そうに避けますか?

拾うことを手伝いますか?

この女の子のように、袋を持っていたら差し出しますか?

 このお話のそのあとがまた素敵で、

その女の子は、恥ずかしそうにすぐ言ってしまったのですが、少し離れた電信柱の影からそっとおじさんのことを見ていたのです。

おじさんがスーパーの袋を大切そうに持ち上げて歩き出す姿を見て、その女の子も嬉しそうに帰っていきました。女の子はきっと、袋を渡してよかったなって思ったことでしょう。

その様子を少しはなれたところから、全部見ていた私(ここで言う私はこのお話を書いた人です。)、その私も女の子が助けた様子を見て、とても嬉しくなったのでした。

 

 

この本に出てくるお話は、どこにでもあるお話です。どこにでもありそうな話なのに心が温かくなります。

それは、この本のお話に出て来る人たちがみんな、自分のことよりも人のことを考えられる心の持ち主だからです。

私たちが毎日幸せに暮らしていけるのも、身の周りにそんな人たちがたくさんいるからです。

ほら、すぐそばにいるでしょ?

消しゴム落ちたら拾ってくれる友達、困っていたら助けてくれる友達、転んで泣いていたら優しく声をかけてくれる先輩、思い浮かんだしょ? 

何か嬉しいことがあった日は、その1日が楽しいですよね。それと同じように、心があったかくなるお話を読んだあとは、とてもはずんだ気持ちになります。

辛いことがあっても、すぐに元気をとりもどせます。

だから、みなさんに この本を読んで、心をあったかくしてもらいたいと思います。

この本は、図書室に入って、真っ直ぐ窓まで進んで左手の棚にあります。

ぜひ、読んでみてください。