校庭の桜も咲き始めたこのよき日に、たくさんの御来賓の皆様の御臨席を賜り、令和五年度 神川町立青柳小学校卒業証書授与式が挙行できますことに、厚くお礼申し上げます。

卒業証書を授与した卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。この卒業証書には、六年間学んだことや成長したことの全てが込められています。立派に小学校生活を終えた証です。今、皆さんの心には、この青柳小学校で過ごした小学校生活の思い出が、次々と浮かんできているのではないでしょうか。私もまた、皆さんと、ともにすごした六年間の日々を思い出しているところです。お家の人に手を引かれ入学してきた皆さんが、学習と経験を重ね学校のリーダーに成長しました。一人一人が自覚と責任をもち、運動会を見事に運営しました。自分たちで計画した修学旅行の班別行動では、みんなで臨機応援に対処し全員が笑顔で帰ってきました。六年間、本当によく頑張り、大きく、たくましく成長しましたね。皆さんの成長には、皆さんの頑張りはもちろんですが、地域の方々、御家族の支援や助けがあったはずです。これからも周囲の方々への感謝の気持ちを決して忘れずにいてください。

卒業生の皆さんに、三つの期待とお願いをします。

一つ目です。皆さんの胸に輝くコサージュの話です。そのコサージュは、後ろにいる五年生から贈られたものです。卒業生の皆さんも、これまでの卒業生に同じように贈ってきました。そのコサージュのもとは、地域の方々が学校に運んでくれた桑の葉です。その桑の葉で四年生が一生懸命にカイコを育てマユにしました。そのマユを使って五年生が一つ一つ作り上げたものが、そのコサージュです。そのコサージュには、地域の方々のエールと在校生の感謝の思いが詰まっています。私は、このコサージュのように、卒業生と、地域の方々、在校生がつながる学校を他に聞いたことがありません。感謝の思いがつながる皆さんの故郷は、本当に素敵な場所です。青柳小学校を母校とすること、この地域が皆さんの故郷であることを、誇りとしてください。そして、いつかは皆さんが、この地域に貢献できる大人になると期待しています。

二つ目です。コロナ禍の話です。皆さんの六年間の小学校生活では、これまで世界が経験したことのない感染症の拡大がありました。私達は、これまで当たり前であった日々が、当たり前ではなくないことに気づかされました。中には皆さんの学年のことをかわいそうだという人もいます。しかし、そうではありません。皆さんは、感染を広げないために、常に仲間のことを考えて実行してきた学年です。皆さんは、相手の気持ちや立場を考えて行動できる力を身につけました。これは人として、とても大切な力です。その力を身につけた皆さんだからこそ、これからの世界を平和にし、明るい未来を創っていくはずです。私は、皆さんに期待せずにはいられません。いつまでも、その思いやりの心を大切にしてください。

三つ目です。皆さんは、今日、一人一人、立派に将来の夢を語ってくれました。夢を持つことはとても素敵なことです。そして、もっと素敵なことは夢を叶えようとすることです。そこで、これから人生の夢に向かう皆さんに、夢を叶えるために、大切な言葉を一つ贈ります。その言葉は「一歩前へ！」です。そうです。この一年間皆さんに伝え続けてきた言葉です。夢は願っているだけでは叶いません。夢に向かうために必要なのは、変化を恐れず、「一歩前へ！」踏み出す勇気です。一歩前へと踏み出せば、物事は自分の思っている方向に動き始めます。そして、一度動き出せば、二歩目、三歩目は自然と出てきます。ぜひ、夢を叶えるために、そして自分を成長させるために、自分から一歩前へ、踏み出せる人であってください。

さあ、三つのお話も終わりました。いよいよ皆さんともお別れです。青柳小学校での学びと教えを自信と誇りにし、未来へと歩んでください。

最後となりましたが、保護者の皆様には、この六年間、本校の教育活動に御理解いただくとともに、様々な御協力を頂き、厚くお礼を申し上げます。これからも、青小っ子への温かい御声援と御支援をお願いいたします。

結びに、卒業生の皆さんの更なる成長を期待して、式辞といたします。

令和六年三月二十二日　　　神川町立青柳小学校長　澁谷　光男